電話エッチ

携帯電話が出回ってメールと言う文化が提示され始めても、当分の間は連絡手段の中心は通話だった。
その頃、僕はいわゆるオフィスラブをしていた。アルバイトとして入社してきた女の子と密な関係にあったのだ。
社内では照れくさいところがあって極秘にしていた。お互いに別々に退社した後、携帯電話で連絡を取りあい、可能ならばホテルで合流する。まだ若かった僕たちは一発二発では満足せず、盛りのついた猿のように一晩中やりまくっていたものだ。
しかし、僕たちの関係は長くは続かなかった。当時、僕には結婚を前提にお付き合いしていた女性が別にいた。そして、彼女にもまたお見合い話が持ち込まれていた。僕と彼女が障害を乗り越えて結婚するのが一番だったのかもしれない。しかし、周辺の事情や将来的なことを考えるとそれはベストではなかった。
彼女との別れ話はすんなりと運んだ。ただ、完全に関係を切るまでは行かず、たまには電話しようと言うところが落とし処だった。
DXLIVE
あれからもう30年ほどが経った。この30年で、電話の文化はメールに取って代わられて、今はインスタントメッセンジャーの時代である。
僕はその後、本来の婚約者と結婚して家庭に恵まれた。子供も今は成人して独立している。彼女もまた、お見合い話を受けて結婚して寿退社していた。
でも、実は未だに彼女とは定期的に電話を続けている。あれ以来、彼女とは会っていない。しかし、30年間、週末になるとずっと電話エッチをしている。
僕も老けたが、彼女もおそらく老けただろう。しかし、声だけは変わらない。電話エッチをする時だけは30年前のままだ。お互いに年を重ねることを約束した相手はそれぞれ別にいる。しかし、電話口の向こうには、一晩やり続けても枯れていなかった30年前の僕たちである。彼女と電話エッチしながら運命の選択肢だった30年前にお互いの思いを馳せるのだった。
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